これは僕が女の子に「え?キモっ!」と言われるまでのお話
第一印象が大事というハウツー本があるぐらい、第一印象は大事だ。第一印象の中には匂いも含まれる。大事ではあるが、自分自身の匂いというのはなかなかわからないものだ...残念ながら脳の構造がそうなっているのだ。
匂いをきっかけに記憶がフラッシュバックする心理現象のことを「プルースト効果」と呼ばれる。
匂いと記憶は密接に関わっているのだ。
僕の名前はよしブル。都内の企業で営業をしている29歳。隣に座るは一つ歳下の女の子。
彼女は歳下ではあるが短大卒のため、入社は僕よりも早い。席が隣ということもあり、漫画やプライベートな話しなんかをするフランクな関係だ。年頃の彼女は、いつも良い香りがする。
僕の帰りは遅い。
いつも家に帰ってくる頃、お隣さんがお風呂に入っている事が多いのか、換気口からお風呂の香りがする。この香りはどこかで....どこだっけ?
あぁ...これは隣の席の彼女の香りだ!
同じシャンプー使っているのかな?なんて考えていたある日、僕はある事に気付いてしまった...
この換気口は僕の部屋のだ。
え?つまり僕と彼女は同じシャンプーを使っているのではないか?
僕はどうしても聞きたくなった
「ねぇ、もしかして、シャンプーは〇〇使ってる?」
彼女はビックリした顔をした
「なんでわかるの?」
僕は答える
「香りでわかるよ」
彼女は引いた顔で言った
「え?キモっ!」