ショートショート 「ショート」
【プロローグ】
オレの名前は…まぁそれはどうでもいい、名前で呼ばれる事なんてないからな
俺は中学で野球をやっている、野球をやる為に生まれてきたと言っても過言ではない!
ポジションはショートで達也って奴とコンビを組んでいる。すげぇいいやつ。
多分、俺達のコンビは県内一だな。
俺は達也の左腕だな。いや右腕か?まぁどっちでもいいか。
俺は内野ならどこでも守れる。なかなかのもんだろ。だがファーストとキャッチャーだけは苦手なんだ。俺の小さい体では難しい、あいつらは体がデカい!体の作りがどう見ても俺達とは違う。
中学最後の地区大会も俺達の中学は準優勝したんだ。強豪校からもスカウトが来てたみたい。
まぁ当然だろ。だけど選んだ高校は地元の高校だった。理由は近いから、それだけ。達也が決めた事だから俺は何も言わないけど。
そういえば中学の先輩が高校になったらボールが硬式になるとか言ってたな。
硬式ボールなんて見たことないよ俺は。
4月高校での練習が始まった。
正直不安だった。中学での毎日の練習で俺の体はボロボロだった。だから高校でやっていけるのか不安だった。だけど達也が一緒にレギュラーになろうと言ってくれた。本当にいいやつ。ホレるぜ。
初日のキャッチボール、俺は自分の限界に気付いた。ボールの硬さに対応出来なかったんだ...
7月強い学校じゃないから俺達はすぐにレギュラーになれた。まぁ達也のおかげだな。ここまで騙し騙しなんとかやってきたが、自分自身限界を感じていた。
大会が近づいたある日、奴がやってきた。奴の名はミズノ。ポジションは同じショートで何となく俺に似ている。まさか同じ出身か?姿形がまったく一緒なんだ。しかし、一つだけ違うところあったあいつはゴツい。
ミズノが来てから俺の出番は減っていった。どうやら達也もミズノの事が気にいったらしい。
【あとがき】
大会もミズノが出る事になった。
ミズノの活躍か20年ぶりのベスト8まで進んだ。大会が終わり、達也が俺を物置に連れて行った。「今までありがとうお前は軟式用なのによく頑張ったな」
それから時は流れミズノも物置にやって来た。
後から聞いた話しではミズノは硬式用だったらしい。道理でゴツいと思ったよ。これが軟式グローブの俺の人生だ。
そういえばまだ名前を言っていなかったな、オレの名前はミズノ。完